【あの頃イタリアで その30 シチリアの海底に沈むものたち】

投稿者 :佐々木英理子 on

まさに台風一過。今日の東京は最高の天気でしたね~。むしろ暑い! 私はここのところ、10月に開催される展示会”rooms43”の準備と、この秋、新しく取扱いを始める新ブランド(まだ秘密)の仕込みに精を出しています。先日、乳液と間違えてヘアクリームを顔中に塗ったくってしまったときは、さすがに少し休憩せねば・・と思った次第です(笑)

 

さて、今回はいよいよグランブルーな海に潜りますよ~!

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ウスティカ島の町長とヌッチョに連れられ、プロダイバーのエンツォに出会った(その28参照)その翌日、ヌッチョにお昼ご飯をご馳走になった私は一旦ホテルに戻り、ミラノから持参したウェットスーツに着替え、マイゴーグルとフィンを片手にエンツォの待つ港に向かった。

なぜかヌッチョも一緒である。運動会の応援に行く父兄さながら、エスプレッソの入った水筒を片手にぶら下げて私より楽しそうなのだ。

イメージ

空は快晴で風は無い!最高のダイビング日和だ!

港に着くと時計の針は約束の3時を少し回っていた。”3時半まで待って来なかったら帰ると宣言されているので、やや焦りながら船着き場を見渡すと・・いた!ビット(船を繋ぎ止める杭)の傍らに体育座りをして海を眺めるウェットスーツ姿のエンツォを発見!

「エンツォ~!!」嬉しくて叫びながら大きく手を振る。

エンツォは立ち上がり、昨日と同じ男前の笑顔でこちらにやって来た。いよいよ本当にシチリアの海に潜るときが来たのだ!わくわくと同時にキリリと気持ちが引き締まる。

近くに停泊している小さな船の船長さんに挨拶をし、酸素ボンベとウェイト、機材一式を積み込みいざ出発!どさくさに紛れてなぜかヌッチョも水筒片手に船に乗り込む。

遠くに望むウスティカの港↓

船はシチリアンブルーの海を水平線しか見えない沖に向かってガンガン進み、10分ほど行ったところでエンジンを止めた。港が遠くに小さく見える。期待と不安で突如ピリリと走る緊張感の中、ヌッチョのはしゃぐ声をどこか遠くで聞きながら、私とエンツォはいよいよ静寂の海底へ沈んで行った。

さすが!パレルモ観光局のお姉さんが進めてくれた通り(その26参照)ウスティカの海は透明度が高く美しかった!残念なことに、そこにいた魚たちの記憶はあまり残っていないし、その写真もないのだが、強烈に脳裏に焼き付いている海底の景色は、そこここに埋もれ、散在するローマ時代の壺や食器らしき陶器の欠片の数々。遠い昔にイタリア本土と行き来していた船が嵐か、はたまた敵の攻撃か何かで沈没してしまい、散らばってしまった積荷ではなかろうかと思いを馳せる。それは美しいながらも異様な光景。

ヌッチョ撮影↓

エンツォに聞いたところによると、これらの破片を拾って持ち帰ることは禁止されているが、こっそり持ち帰って美術館などに売りさばく悪いダイバーが後を絶たないとか。

40分ほど海底散歩を楽しんだだろうか、エンツォの合図で海面へ浮上した。と同時にヌッチョのはしゃぐ声がする。

喉が渇いているので冷たい飲み物が飲みたいのにも関わらず、船に上がるなりエスプレッソを飲め飲めとうるさいので、仕方なく水筒のキャップで回し飲みしてみると、さすが自慢のエスプレッソだけあってかなり美味しい。

港での貴重な集合写真がこれ。エンツォのビキニ姿が眩しすぎる!(顔出し禁止のその訳はブログの最後をお読みください)しかし・・誰が撮ったのだろう?頭がちょん切れているではないの!

結局、ウスティカ島に滞在した7日間のうちの4日間、毎回午後3時にエンツォと港で待ち合わせをして島中のダイビングスポットを巡った。これこそ待ちに待ったイタリアのバカンス!(ちなみに、毎回ヌッチョ同行です)

この旅から数年後、エンツォはダイビングで大儲けをし、20人も乗れる大きな船を手に入れた。そしてそれから数年後、彼はは三人の子供と妻を島に残し、ダイビングにやって来た観光客の女性と駆け落ちをしたとヌッチョから聞いた。

果たしてイケメンエンツォは今頃、誰とどこの海に潜っているのやら・・。

今思うと、ヌッチョは万が一そんなことがあってはならないと、毎回エスプレッソを持って船に乗り込んでいたのかも知れませんね。いや、きっとそうに違いない(笑)

 

つづく・・・

※この思い出話の舞台は1994年-1996年のイタリアです。スマホはおろか携帯電話やデジカメ、パソコンすら一般家庭に無い時代であり、主な通信手段は国際電話かFAXでした。

 

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