【あの頃イタリアで その7 ドラム式洗濯機の洗礼】

投稿者 :佐々木英理子 on

こんにちは。時は現在20214月。明日から3度目の緊急事態宣言が発令される中、皆さんいかがお過ごしでしょうか?既にそこそこ引きこもってますか?それとも「今日までは自由だ!」と貴重な1日を満喫しているでしょうか?

m.m.Luccaをオープンしてからあっという間に2カ月経ち、なぜか商品ページよりもブログの訪問者が多いという不思議な現象が起きております。う~む・・喜ぶべきか、嘆くべきか・・。いやいや喜ぶべきであります。

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さて、時は1994年の7月。突如、不愛想なイスラエル人カップルと同居することになった私。こうなったらもう仕方がない、一緒に住むからには何とか仲良くなるしかないのだと覚悟を決め、引っ越し翌日の朝からできるだけ自分の部屋を出て、共有スペースであるリビングに顔を出すように心掛けてみた。しかし、彼らは全く部屋の外に出てこないどころか物音一つ立てない。まだ寝てるのかな?昼を過ぎたころ、やや拍子抜けをした私はイタリア上陸後初の(やること全てが初ですが)洗濯をしてみようと、これまた初めて見る縦型投入口を持つ洗濯機の前に立った。ドラム式洗濯機は今だからこそ日本にも普及し、一般家庭で見られるようになったがその当時は映画の中でしか見ることのない代物である。

 

全く使い勝手が分からない上に説明書が読めないのだからどうにもならない。取り合えず勇気を出して洗濯物と洗剤をドラムに投入、直感で一番目立つボタンを押してみた。何となくちゃんと動き出したので一安心。そして30分後、洗濯機は水を蓄えたまま止まってしまっている。「え?勝手に脱水してくれないの?」と、また直感で別のボタンを押す。洗濯機は動き出し、その30分後、また脱水されずに止まっている。そこでまた別のボタンを押してみる。で30分後、まだ水は溜まったまま。また別のボタンを押す・・・・と、突如洗濯機の前にしゃがみ込む私の背後に人影が・・・。振り向いたそこにいたのは鬼のような形相で仁王立ちするイスラエル人男子であった。「“#$%&&‘#$&!!」何を言っているのかさっぱり分からないが、その身振り手振りからして、「お前一体いつまで洗濯してんだよ!アホなのか!」的な事を捲し立てているらしい。ほんとに感じが悪いやつなのだが、ひたすら直感で洗濯機を回し続けた私が悪い。これはもうアホに成り切ってこやつに聞くしかあるまい。「ワタシツカイカタゼンゼンワッカリマセ~ン!ドウスルノ?ドウヤルノ?」の全身全霊を懸けてのゼスチャークイズ。と、彼はできるやつであった。無言でピピピと洗濯機のボタンを押し、洗濯機は無事に脱水を開始したらしい。すご~い!ピンポンピンポンピンポン!おめでとう!と声をかける間も無く、やつはくるりと背を向けて自分たちの愛の巣へ帰って行ってしまった。ほんと感じが悪いのである。今頃イスラエル人女子に「あの日本人、ほんまにアホやで~!どうしようもないわ!」的な事を話しているかも知れない、いやそうに違いない。同居初日にして怒鳴られ、完全卑屈人間化した私は部屋に引きこもりがちになってしまい、彼らもまた私と接するのを避けているのか部屋から出てこない。楽しいはずのイタリア留学はまだまだ楽しくならないのである。

 

つづく・・・

※この思い出話の舞台は1994年-1996年のイタリアです。スマホはおろか携帯電話やデジカメ、パソコンすら一般家庭に無い時代であり、主な通信手段は国際電話かFAXでした。

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