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【あの頃イタリアで その26 第2のシチリアじいさん登場!善か悪か?】

投稿者 :佐々木英理子 on

こんにちは!

またまたお待たせしてしまい大変申し訳ございません!POP-UPストアもいよいよ明日までとなりましたが、このご時世、百貨店内の人通りが少ないため時間を持て余し、立ち仕事の合間にちょこちょこブログを書いている器用な私です(笑)

さて、シチリア一人旅。"ホテルオリエンタル"の怪しいおじいちゃんに別れを告げ、目指すはシチリアの海!さ~て今度は何が待ち受けているのでしょうか・・・

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これからどうしようかな~?

とりあえずパレルモに来ては見たものの、行き当たりばったり旅なので何の予定も立てていない。しかしここはまず当初の目的通り、この目でシチリアのグランブルーな海を見ないことには始まらない。そしてせっかくダイビング用のゴーグルとフィンをリュックに詰めて来たのだから、なんとしてでも海に潜ってみたい!よし!まずはダイビングスポットを探すべく、観光案内所へ行ってみよう!

今は10月、バカンスシーズンはとうに終わっているせいか、パレルモ中央駅近くの観光案内所はガランとしていた。中に入るとデスクに座っていた50代位の女性が、気だるそうにこちらをギロリと睨んだ。

「ボンジョールノ」

「ボンジョールノ、何か用ですか?」用があるに決まっている。

「え~と、スキューバダイビングができる場所を探しているのですが・・・」

「それはパレルモでは無理よ。ここから船で島に渡らなきゃ。」

「え?ふ、ふ、ふね?」予想外の展開。

女性は面倒くさそうに地図を広げ、パレルモの少し上の辺りにあかペンで丸印を付けた。そこにはウスティカ島と書いてある。

「ここに行きなさい。海がきれいだから。」

「あ、は、はい!」・・・決定。その威圧感を正面から受け、即答する私。

翌朝早く、観光案内所で教えてもらった通り、パレルモの北側にある港へ行ってみた。そこにはエオリア諸島やジェノバ、ナポリ行の船の他、ビルディングのように巨大な世界一周旅行の大型船も発着している。乗場を確認してから昨日教わった通り、大通りの向こう側、土産物屋の並びにあるチケット売場でウスティカ島行のチケットを購入した。

港の待合室で朝食のサンドイッチに齧り付いていると大きなフェリーがやって来た。オフシーズンなので船内はガランとしているが、甲板に登るとちらほらと観光客らしき人の姿が見える。甲板中央のベンチに陣取り重いリュックを下ろす。

10月と言えどもシチリアの気温はまだ高く、青空を吹き渡る乾いた風が心地良い。ボーンボーンと言う汽笛と共に、パレルモがどんどん小さくなっていく。最高の船旅だ。

遠ざかるパレルモ↓

ウトウトしながら海を眺めること約2時間半。ようやく遠くに島影が見えて来た。小さな入江の港に着くと、みんなそれぞれの荷物を抱えてぞろぞろと船を降り、宿の人だろうか?港に迎えに来た車に乗り込んでいく。私はと言えば、もちろん迎えてくれる人などいない。ポツンと一人、港に残された。

島の地図も情報も何も持ち合わせていない。(もちろんスマホは存在しない)それでも何となく直感で島の中心地は港から上に登ったところなのだなと分かる。見渡すと、道を渡った先に、上るのを躊躇するほど急な階段が見える。きっとあれは中心地への近道に違いない!

果たして階段を何段上ったのだろうか?息も絶え絶えに上り切るとお店が立ち並ぶメインストリートらしき小さな通りに出た。すぐ右手前方の広場には島の老人たちがベンチに腰掛けておしゃべりを楽しむ姿があり、通りの突き当りには教会が見える。一目で全てが見渡せるほど、こぢんまりとしたのどかな中心街だ。

教会から眺めたメインストリート↓

やった!到着!喉がカラカラなのでまずは冷たい水が飲みたい!リュックを担いだままバール(イタリアで言うところのカフェ)を探してキョロキョロしていると、ふいに背後から声がする。誰かを呼んでいるのかな?と振り向くと、一人のおじいちゃんと目が合った。どうも私に話しかけているらしい。

「おまえは何を探してるんだ?」

「あ、え~と、バールを探してます。」

・・・と、一瞬間をおいて、おじいちゃんはマジマジと私の顔を見ながらこう言った。

「おまえはバ~カか?!」

「へ?!」

これがその後、長年の友となるヌッチョとの出会いである。

 

つづく・・・

※この思い出話の舞台は1994年-1996年のイタリアです。スマホはおろか携帯電話やデジカメ、パソコンすら一般家庭に無い時代であり、主な通信手段は国際電話かFAXでした。

 

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