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【あの頃イタリアで その22 隣のシスター in 寝台列車】

投稿者 :佐々木英理子 on

こんにちは!オリンピックはいよいよクライマックスですね~。昨日の男子400Mリレーは残念でした(泣)明日の男子マラソンは何とかメダルを!中学、高校、大学と陸上部であった私としては(突如意外な事実)応援に力が入ります!

さてさて、シチリア一人旅の続きなのですが、書き始めたのはいいものの。なんせ28年前のことなので、細かいことはすっかり記憶にございません。よって、何時何分の列車でどの駅を出発した的な詳細は書けず、かなり大雑把な時系列になっておりますのでお許しください。

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※イメージ写真

 

ミラノからナポリまで列車で約5時間。ようやく夜のナポリに到着。シチリアの玄関口であるメッシーナへは、寝台列車で海を渡る。え?列車で海を渡る?そうなのです列車で渡るのです。イタリア好きには有名な” インターシティ・ノッテ は車両を切り離して列車まるごと専用のフェリーに積み込んでしまうのだ。

夜の1130頃ナポリを出発し、シチリア島が薄っすらと朝日に染まりだす朝5時過ぎにシチリア島の東の先端、メッシーナに着く。(←かなり大まかな時間的記憶による)海を渡るのはわずか20分間なので、車両切り離しが開始されるのは深夜4時頃だろうか。ということは、頑張って起きていないと車両分解シーンを目撃することができない。何としてでもその貴重な瞬間をカメラに収めなければ!

 

※イメージ写真

 

寝台列車は一等の2人部屋と二等の4人部屋があるが、貧乏な私はもちろん4人部屋。と言っても女性専用のコンパートメントなのでやや安心感はある。中は日本の寝台列車と同様、2段ベッドが2台向き合っている。私のベッドはドアを開けて右手の上段だ。小学生のとき以来の2段ベッドにウキウキしながら荷物をガサゴソしていると、ご年配らしき女性が向かい側のベッドに登って来た。

「こんばんは~」一晩を共にするのだからきちんとご挨拶をしてみる。あら?暗がりの中良く見るとどうやら彼女はシスターのようである。胸に十字架を下げ、イタリアの教会付近で良く見かけるワンピース状の修道服を着ている。むむ。なんだか安心。きっとこのコンパートメントには神のご加護があるに違いない!(この予想が後に的中することになる・・ある意味で)

 

列車が動き出すのを待って、夜食用に買った生ハムとチーズ、ルッコラのサンドイッチを頬張りながら赤ワインのボトルを開け、携帯用のカップに注ぐ。ふと隣に目をやると、やや驚いた表情のシスターと目が合った。就寝前なので、お互いのカーテンはまだ開けたままだ。

「あなた、一人でそれ一本飲むつもり?」

「あ、はい・・」何だか気まずい。そしてとっさに切り返す。

「あの、よろしければ一杯いかがですか?」

「・・・では一杯だけいただきます。」

あれ?シスターも飲むんだ!そっかそっか “パンはキリストの肉、赤ワインは血 “って言うもんね!ちょっと嬉しくなって差し出されたカップにワインをなみなみと注ぐ。

しばし無言のまま各自の夜食を済ませ、一息ついたときシスターがこう尋ねて来た。

「日本人は仏教徒だと聞くけど、あなたも仏教を信仰しているのですか?」

「あ~・・え~と、私は何にも信仰していません。」

思えばここが始まりであった。どうして「はいそうです。仏教徒です!」と答えなかったのか・・・。悔やまれる。

その時、シスターの目がキラリと光った!かどうかは定かではない・・・。

 

つづく・・・

※この思い出話の舞台は1994年-1996年のイタリアです。スマホはおろか携帯電話やデジカメ、パソコンすら一般家庭に無い時代であり、主な通信手段は国際電話かFAXでした。

 

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