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【あの頃イタリアで その60 猫と分かりあうまでの1週間②】

投稿者 :佐々木英理子 on

こんにちは。

関東以南の皆さんはこの暑さに負けていませんか?私は先日、暑さを払いのけるべく、ものすご~く久し振りにちゃんとした(?)かき氷を食べました。今流行りのインスタ映えするストロベリーコンポートがテンコ盛りのいちごミルク。だけどね、違うんだよね~!私が一番好きなのは昔ながらの、果汁なんてこれっぽっちも入ってなさそうな “ザ・いちごミルク ”!!

あ・・ここ掘ると長くなりそうなので、早速前回の続きをどうぞ!

前回をお読みでない方はこちらから

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クリスマスを目前に控えた1995年12月23日、良美さんは本当にスウェーデンに旅立ってしまった。私と2匹の愛猫を残して・・・。

「あ~あ、君たちのお母さん本当にスウェーデンに行っちゃったね~」

その夜、足元でジッと私を見上げる2匹に向かって呟いてみた。いつもは2匹揃って私のそばに寄ってくることなんてないのに、やっぱり猫なりに寂しいのかな~と思う。

・・と、ラッパ猫サンボが私を見上げたまま「ニャー!」と鳴く、するとそれにつられたのか臆病猫マルも、か細い声で「ニャー」と鳴く。あれ?言葉通じてるのかな?一瞬真面目にそう思ったが、そんなわけはない。ふと見上げると時計の針は9時を回っている。そして再度2匹を見下ろしたとき、ハタと気付いた。2匹は「腹減った~!メシくれ~!」と私に訴えていたのであった。

「あ~!ごめんごめん!ご飯あげるの忘れてた~!」良美さんが置いて行ったメモを片手に、慌ててご飯の準備に取り掛かる猫慣れしていない人間。

「え~と、マルには基本のドライフードとウェットフードと焼魚の身をほぐしたやつ。サンボはアレルギーだからドライフードと焼魚だけ、ウェットはなしだね。」ブツブツ独り言を言いながら、いつも良美さんがしているようにキッチンにお皿を並べる。

良美さん曰く「多分サンボはウェットフードのアレルギーだと思うから、しばらくはウェットを食べさせないで焼魚を多めにしてあげてね」とのこと。

「全くお前たちは贅沢だよな~」とブツクサ言いながら、良美さんが1日分ごとに切り分けてラップで包んでおいた魚を冷凍庫から取り出し、言われた通りにフライパンで蒸し焼きにする。

ちなみにこの頃の私は、自分のためにさえ魚を焼くなんてしたことのない女であった。そんな私が猫のために魚を焼いているのである。

しばらくしてキッチン中に焼魚の香ばしい匂いが立ち込める。

「早くくれ~!くれくれくれ~!」と足元で興奮状態の2匹を待たせ、焼き立ての魚を適当に冷まして身をほぐし、2枚のお皿に分けた。そのお皿を床に置くが早いかサンボとマルは頭を前後に揺らしながらムシャムシャと齧り付く。

今日はお昼ご飯たくさん食べたし、晩ご飯はワインとチーズでいいや!と思っていた私であったが、焼魚の匂いに触発されたのか突如空腹感に襲われ、本能のままに冷蔵庫を開けて見る。・・・が、いつも通り何にもない。そして閉じる。

そんな私を余所に、食事を終えた2匹は満足げに口の周りをペロペロ舐めまわしながら毛づくろいをしている。ときおりチラリとこちらを見るのだが、この状況下にあってはなんだか子憎らしい。

・・う~む・・なんだ?この生類憐みの令的綱吉状況。・・・げ、げ、解せぬ・・・余は絶対に絶対に解せぬのだ~!

と鼻息荒く、再度冷蔵庫の中を確認するも、やはり何もない。その夜は空腹のままベッドに入ったもののなかなか寝付けず、ジッと暗い天井を見上げる私であった。

 

つづく・・・

 

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